図書館に表紙を見せる形で置いてあり、スズキコージの挿絵だったので、思わず手に取りました。
すると、お話が二つ入っていて、二つ目のお話が、前からずっと気になっていたものだったので、大喜びで借りました。
次男が『トム・ティット・トット』(ほるぷ出版)が大好きなので、この本を見せると、「チット?」といぶかしそうに見るだけで、手に取ろうとしませんでした。どうやら自分の好きなお話のまがい物と思ったようです。
でも、読み始めると、同じ内容なので、「あっ、おんなじじゃない!」と嬉しそう。
もちろん、「トム・チット・トット」は喜んで見てはいましたが、思いがけず、大きな反応を見せたのは、二つ目のお話の方でした。
このお話、「ちっこい ちっこい」というお話で、内容はちょっと禍々しい感じがするのですが、
ちっこいちっこい村の ちっこいちっこい家に
ひとりの ちっこいちっこいおんなが住んでいました。
という言葉遊びのような文章がずっと続くので、妙に耳に残るのです。
私が、ずっと気になっていたのも、やはり同じフレーズの繰り返しが耳に残っていたからです。
次男も、読み終わってから、ずっと、「ちっこいちっこい女は・・・・」と暗唱していました。
訳者によるあとがきでも、「声に出して読んでください。」と書いてあります。
本当にその通りで、これこそ読み聞かせに向いている本だと思います。
絵もたくさんあり、一冊で二つのお話をたっぷりと楽しめる贅沢な絵本です。