デュボアザンのユーモアのあるやさしい挿絵に惹かれて手に取りました。
井戸の底に、かえるが一匹すんでいました。なかなか快適で、かえるは、そこが「世界」だと思っていました。ある時、雨が降らない日が続き、井戸の水は枯れます。そこで、かえるは、自分に力があるうちに、「せかいのはて」を見ておこうと思います。
今までかえるにとって「せかいのはて」とは、井戸のふちでしたが、そこまで昇っていったかえるが見たのは、井戸の周りにひろがる、木々とひなぎくの花の群れでした。
読みながら、ふと、自分がちいさい頃のことを思い出しました。家族の中からはじめて学校という外の世界へ飛び立った日。学校という守られたところから社会へと飛び出した日。子どもたちもまた、大きな世界へ飛び込んでいく日がくるんだなぁと思うと、感慨深いものがあります。
こわいと思うことがあっても、かえるのようにピョーンと飛び込むと、たのしい世界が待っているんだ!と勇気が出てくる本ではないでしょうか。