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どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

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かんけり」 夏の雨さんの声

かんけり 作:石川 えりこ
出版社:アリス館 アリス館の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2018年09月28日
ISBN:9784752008538
評価スコア 4.6
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  • 明日へ蹴り出せ!

     「かんけり」という遊びを知っていますか。
     空き缶を使ってする遊びですから、子供たちには危ないという人もいるかもしれませんし、漫画「ドラえもん」に出て来るような空き地ほどのスペースも必要ですから、なかなか現代の子供たちにはなじまないかもしれません。
     では、「かんけり」がどんな遊び(だった)か、この絵本の文から説明しましょう。
     絵本では全文ひらがな表記ですが、ここでは漢字まじりで書いておきます。
     「鬼が30数える間に、みんないそいで隠れます。鬼は隠れた人をみつけると、名前を呼びながら缶を踏みます。まだつかまっていない人は、鬼より前に缶を蹴り、みんなを助けます」
     かくれんぼ遊びの変形のような遊びです。

     昭和30年代の頃はよく「かんけり」をしたものです。
     おもちゃなんかあまり買ってもらえなかったですから、空き缶を使ったり新聞紙を使ったりして遊んだものです。
     そのことでいじけることはなかった。だって、みんなそんな暮らしぶりでしたから。
     この絵本の作者石川えりこさんは1955年生まれですから、そんな時代に大きくなった世代です。
     でも、この絵本はただ懐かしい遊びを描いたものではありません。

     主人公のちえちゃんは少し引っ込み思案の大人しい女の子。
     かんけりでも缶を蹴るのが怖くて、まだ誰も助けたことがありません。
     この日は違います。ちえちゃんは最後まで鬼に見つかっていません。つかまったみんなを助けられるのは、ちえちゃんだけ。
     最後に駆け出すちえちゃんのかっこいい顔を見ていると、すっきりすることでしょう。
     まるで、明日への架け橋のような「かんけり」です。

    投稿日:2020/09/13

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