1人ぼっちだったトラビス。ひだまりも魚もひとり占め。
仲間と分かち合う幸せを知っているミケーレとの出会い。
ミケーレの優しい言葉にトラビスの心が動いていく。
ありがとう、なんて言葉も初めて言われた。
2匹で一緒に、ひなたぼっこをする心地よさ。
目を閉じて、ひげをくすぐったのが、風か、ねこじゃらしかを感じようとしているトラビスの表情がかわいい。
トラビスとミケーレの幸せな時間は流れていく。
幸せ色だった頁は寂しげな色に変わってしまう。
冬が過ぎ去り、春がまた始まろうとする頃。ミケーレとの温かな思い出で、優しい心を取り戻すトラビス。
もう会えなくても、トラビスはミケーレと一緒なんだね、ひだまりのミケーレと。
優しくそっと背中を押すように、生きていく力に気づかせてくれる絵本でした。