読んでいて 背筋がぞくぞくしてくるような絵本です。
日本に古くから伝わる怪談・奇談を英訳し欧米で出版した小泉八雲氏。
後にそれらの物語は平井呈一氏によって日本語に翻訳されたのだそうです。
この「雪女」の物語も日本の妖怪話であるにも関わらず
洗練された感じがするのは
こんないきさつがあったからなのかもしれません。
そして 絵は伊勢英子氏。
この絵本を読んだ娘が こんなことを言いました。
「もし小泉八雲が生きていたら
こういう絵をつけて欲しかったって言っただろうね。」
なるほどと思いました。
雪山の怖さや
雪女に漂う怖ろしさや妖艶さが
とても上手く描き表されているように思いました。
そして 私は このお話の主人公の若いきこりが
偶然この雪女に遭ってしまったばかりに
一生この出会いに縛られていくことになる悲哀に
思いをめぐらせたりもしました。