自分が幼稚園で借りてきて、気に入って何度も読みました。
無表情なのに、なにか悲しげな雪女の挿絵にどうしようもなく惹かれてしまいます。
民話や昔話には「助けてもらった恩返し」とか「良い行いが報われる」というような分かりやすいストーリーばかりではなく、理不尽ともとれるような話もありますよね。
この「ゆきおんな」も押し付けがましい教訓めいたものがないだけ、自由な感性で読めると思います。
単純に、雪山で吹雪に遭う恐ろしさとか、ゆきおんなが正体を現し、夫を捨てて突然姿を消してしまう件では、切なさと、大自然のなすことには抵抗しようが無い人間の弱さ小ささなんかを感じるのではないでしょうか?