自分の父親の涙というものを見たことのある子供というのは、そう多くはないのではないでしょうか。
つい涙が出てしまう自分と父親を比較して、ふと気になった主人公のゆうきの疑問はとても素朴で、かつ読んでいる多くの人にもあてはまる疑問かもしれない・・・と思いました。
ゆうきの疑問に真摯に向き合ったお父さん。
そして語られる、自分の父親との思い出。
昔気質だった父親(ゆうきの祖父)の不器用な愛情表現を感じ取っていたお父さんは、ちゃんと愛されて育ったことを分かっていたのだろうなぁと思いました。
だからこそうっすらと浮かべた”汗”に、ゆうき自身もお父さんの愛情を感じたのではないでしょうか。
「お母さんにはひみつ」にしようというゆうきの優しさが、何だかくすぐったくなる、温かいラストでした。