2019年刊行。秋田県、男鹿半島に伝わる大みそかの行事「なまはげ」。その様子を激写し、舞台裏や現場中、ユネスコ文化遺産登録などを紹介する写真絵本。なまはげ面も多数紹介。
秋田といえば、なまはげだが、広く知られるようになったのは最近のことらしい。出刃包丁を持って各家を周り、「なぐ子はいねがぁ〜」と脅すのは知っていたが、それ以上のことは知らなかった。
この本では、なまはげを行う前の準備(仮面や仮装の用意、出発前のご祈祷など)、現場に向かうなまはげ軍団の様子、現場での仕事(意外と、最初は新年のあいさつをするという礼儀正しさ!)、終了後の反省会まで、全工程をくまなく見られる。
これであなたもなまはげ検定の受験資格を得た。
襲来した家では、主人が正装してもてなし、ご馳走やお酒がふるまわれる。武装したなまはげ軍団は、もてなしを受け、子どもたちの教育的指導(例の出刃包丁で脅すもの)や、今年の農業予想などのカウンセリング業を行い、お酒をどんどん飲み(仕事の1つ)、大暴れする。厄除けの四股踏みも忘れない。なかなかやることが多い仕事である。
家の中に刃物を持った不審者が暴れているのに、迎える人たちは楽しそうだ。若い女性にも大人気。けっこう楽しそうなのが印象に残った。
観光用のなまはげではなく、実際に地域の行事としての本物のはまはげ。先祖代々の暮らしを守り、一家が睦まじい様子も見られ、あったかい。
こういうものは、ずっと残って、伝えていって欲しい。
こんな調子で、他の地域の伝統行事も、紹介して欲しい。