ドイツ語版のタイトルから訳すと『いばらひめ』が一般的のようですが、英語版では「Briar Rose The Sleeping Beauty」。
話は同じでも、タイトルが違うと印象は多少変わるような気がします。
どちらにしてもグリムにしては浅めのお話です。
かえるの予言通りの授かったお姫様。
喜んだ王様とお妃様はお祝いの会を開くのですが、国にいる13人の占い女を招くには金の皿が12枚しかない。
結局一人の占い女は仲間外れになるのですが、ひがんだ占い女が祝いの場に飛び込んで、あれこれあったのちにお姫様は15歳で百年の眠りにつくことになってしまいました。
お姫様が眠りについたら、城中の時間が止まってしまいます。
何人もの王子たちがいばらに封じ込まれた城に入ろうとして命を落とします。
私にはこの王子たちの方が気になるのですが、百年目の魔法が解ける日にめぐり合わせた運の良い王子。
この王子と眠りからさめたお姫様は結婚して、一生仲良く暮らしました。
波乱があるようでないので、物足りなさを感じます。
そんな物語ですが、グリム童話の絵本を多く手掛けているホフマンの絵は充実しています。
登場人物のそれぞれに実感があります。
タイトルを『ねむりひめ』にしたのは、独自の世界を作ろうとしたのかもしれませんね。