ライオンの赤ちゃんとぼうやは友だちになりますが、いつまでも一緒にいることは出来ませんでした。
野生動物を飼育することは到底無理な話なのですが、せめてきちんと群れの中に返して欲しかったな、と思いました。
ワンダは自分の家族に会うために旅をしますが、まさか死ぬまで会えないとは想像しておらず、これが自然の厳しさなのか、アフリカ大草原の広大さを思い知らされました。
最後、ワンダは懐かしいぼうやに再会します。
ぼうやはワンダに着せてあげた自分の服を忘れていませんでした。
もしかしたら、ぼうやもまたワンダを探して旅をしていたのかもしれません。
ワンダの絶望で終わりそうな瞳の中に、最後に希望の光とほほえみが見えたことは本当に良かったと思いました。
リアルとファンタジーが入り混じったお話で、淡い色彩の優しい挿絵がピッタリ合っていました。
見覚えのある絵だと思ったら、『きつねのでんわボックス』の挿絵の方みたいで、この作品もとても心に沁みました。
アフリカサバンナの壮大な大草原や、野生動物たちも沢山描かれていて良かったです。