この絵本の主人公は、まめざらちゃん。
小さな小さなお皿です。
まめざらちゃんは、ある日、ダダさんの家の食器棚にやってきました。
すでに食器棚にいたのは、どんぶりぼうややおわんさま、それからおおざらくんやスープざらさん、おちゃわんおばさんなどです。
実はお皿たちには楽しみがあって、それは、盛りつけられたごちそうを、こっそり味わうことです。
みんなはそれぞれごちそうを盛りつけられて、とても幸せそうです。
それを見て、まめざらちゃんは期待に胸を膨らませます。
あ!
ダダさんが、まめざらちゃんを取り出しました。
まめざらちゃんは、うれしくてしょうがありません。
どんなごちそうを盛りつけてくれるのかしら?
ところが。
まめざらちゃんに盛りつけられたのは、醤油とわさび。
他の日は、お醤油とお酢、それからラー油。
それから他の日は……。
まめざらちゃんに盛りつけられるのは、調味料ばかり。
ダダさんは、まめざらちゃんを醤油皿としてしか使わないのです。
まめざらちゃんは、悲しくて悲しくて涙が止まりません。
みんなが慰めてくれるけれど、絶望してしまいました。
そんなある日、ダダさんの家の台所に、女の人がやってきました。
ダダさんと結婚した、ピピさんです。
ピピさんは、まめざらちゃんを見つけて言いました。
「このおさらなら、ちょうどいいわ」
ピピさんは、まめざらちゃんをどのように扱うのでしょう?
やっぱり醤油皿として?
それとも……。
読み進めていくうちに、まめざらちゃんを応援したくなってきます。
描かれるお料理もとても美味しそうで、食べたくなります。
とてもかわいらしい絵本なので、年齢に関わらず読んでいただきたいと思います。