松谷みよ子さんの絵本なので・・・
と思っていたら予想以上に重い内容だったので
読み終えた後なかなか自分の中で消化できず
重苦しい気持ちになってしまいました。
それでも、いじめのきっかけって
本当に些細なことなんですよね。
だからこそ、
いじめている側には罪悪感がない。
悪いことをしている意識がないからこそ
平気で人を傷つけてしまえる。
相手がどんなに苦しい思いをしているのか
相手の立場になって考えてみる、想像してみる
そういう力も養われていないのかもしれないけれど。
いじめた子たちは
中学生になって
セーラーふくで かよいます
ふざけっこしながら
かばんを ふりまわしながら
すごく苦しんでいる人をよそに
楽しそうに過ごしている加害者を思うと
憤りを覚えてしまいます。
きっと、当事者やその家族にとっては
僕の想像をはるかに超えるものなんだろうと思います。
最後のページの
わたしを いじめたひとたちは
もう わたしを
わすれてしまったでしょうね
あそびたかったのに
べんきょうしたかったのに
この言葉がとても深く胸に残りました。
人一人の人生を狂わせるようなことをしておきながら
そんなことさえ忘れてしまっているなんて・・・。
でも、実際はそうなのかもしれません。
加害者であったという自覚さえなかった可能性は高いです。
今はネットによるいじめが多いと聞きます。
実際に会っていじめるよりも更に
加害者意識は低くなってしまうんじゃないだろうか、
というのはニュースを聞くたび思います。
この絵本自体は少し重いけれど
小学中学年くらいからなら
しっかりと読んでくれるかな、と思います。
自分には悪気がなくても
相手にとっては本当に苦しいことだってある、
相手の立場にたって考える気持ちを育てる意味でも
多くの人たちに読んでもらいたい一冊だと思います。