そうべえシリーズは、軽業師のそうべえさんが綱渡りするところから始まる。
登場人物はトリオだったりカルテットだったりするのだが、しっかりとパターン化されている。
いつもどこかへ行く珍道中とドタバタ騒動のパターンも変わらない。
日本人好みの安定感と思うが、どこへ行くかが大きな問題となって来る。
しかし、このシリーズの荒唐無稽な発想にも少し陰りが出てきました。
今回はおけらに誘われて地中にもぐり、ミミズの結婚のためにモグラ退治。
かなり苦しみぬいたような気がします。
発想は意味不明ですが、地中で若返ったり歳をとったり新しいシチュエーションも加わりました。
でも、ちょっと独りよがりに過ぎるように思います。
残念ながらついていけない。
『じごくのそうべえ』の印象が強すぎるのかもしれませんが、あれは上方落語というベースがあってのこと。
もう少し読者寄りに展開してもらえたらと思いました。