表紙がめちゃめちゃ怖いわりには、中身が結構面白くてびっくり。それもこれも迷い込んだ世界で、出てくるユーモラスなおばけたちの存在でしょう。おばけと一緒に遊んだり、おなかがすいたら、おもちのなる木でおもちを一緒に食べたり、決して怖いおばけというわけではなく、かんたに好意的な面白い優しいおばけということが伝わってくるからかな?、色使いも鮮やかだし、大人でもたちまち魅了されてしまいます。
でもやっぱり、かんたも小さな男の子。お母さんが恋しくなってしまうんですね。ちゃんと現実の世界に、お母さんのもとに戻ってこれるところなどは、子どもが安心するようです。何度も読みたくなってしまう。
最後のページで、かんたがひろげたおもちゃ箱。しっかかもっかかとモモンガーごっこで遊んだ風呂敷、おたからまんちんにもらった不思議な水晶玉を見ることが出来ます。夢でなかったということがわかって、ちょっとうれしいのは私だけ?
かんたは、思い出せないうたでもこの絵本を何度も読んでいる子どもたちは、あのうたをすぐに覚えちゃう。そしてまたあの「よるのやま」へ冒険に出かけることができるのです。この絵本が何十年も読み聞かせられているゆえんかもしれませんね。