10年近く前に、娘が保育園でもらってきて、初めて読んだのですが、当初、私はこの本が怖かったので、「読んで」と言われないようにこっそり隠したりしたのです。夫もやっぱり怖いと言って、読むのを避けていました。可笑しいことに二人とも怖いところは同じでした。それは、三人組が大アップで現れるページなのです。もんもんびゃっこがばーんと前面に出てきたのが、すごく怖かったのです。最初にそのページをめくった時のショックが大きくてしばらくは大嫌いな本でした。
でも、私の恐怖に反して、娘の喜んだこと。やっぱりその後弟達も大好きな本となり、何度となく読まされました。日本の馴染みやすい風景や、おまじないみたいな歌が、すっと入り込んでくるようです。
歌をきっかけに不思議な世界に行き、この世のものではないものたちと思いっきり遊んで、遊びつかれて眠った頃に元の世界が懐かしくなって、(自分の意志ではないけれど)またお母さんの元に戻ってくる。ちょっとセンダックの『かいじゅうたちのいるところ』に似てますね。
子どもは自分だけの世界へ行ってやりたいだけうーんと遊んで、満足して自分の本来いる場所に戻ってくるものなんですね。子どもがこれだけ喜ぶというのは、自分も一緒に旅してくるからかもしれません。