干し柿作りを紹介する写真絵本。柿の木に花が咲き、実が成り、熟し、習慣され、干し柿に加工される。大量に干し柿を干す風景や、渋柿から自分で干し柿を作る子どもたちの様子を生き生きと紹介する写真絵本。
2006年刊行。
柿の木は本当にたくさんの実をつけている。細い枝が折れそうなほど、たわわに実った柿の実。そして素晴らしい知恵で、渋抜きをして、保存食品に加工。豊かな恵みと、先人の知恵、手間のかかる良心的な食品づくりを継承する人々の心に感動。
実家が農家だったので、庭に柿の木があった。甘い実のなるものと、渋柿があって、子どものころはどうして渋柿ができるのか不思議だった。祖父母が干し柿を好んで作っているのも、よくわからなかった。
中年を過ぎてから、ようやく干し柿や日本の農家のすばらしさがわかるようになった。こういう絵本では、丁寧に取材をし、その魅力をしっかり伝えてくれているのがわかり、ありがたい。
時々、町の中でも八百屋で干し柿が売られていたり、住宅のベランダに少しだけ作って干してあったりするのを見かける。
良いものを見直して、若い世代にも好まれ、広まっていくといいと思う。(余談だが、若い人がやっているコーヒー屋さんで、お茶請けに干し柿があったのをみた。わかる人にはわかるのだと思ってうれしくなった。)