ペンギンのヘクターは動物園へ搬送される途中、トラックから落ちてしまい、生まれて初めて森へやってきました。
あおさぎやかも、うさぎやかめなどの動物と出会い、ペンギンを見たことがない彼らから「君は何なんだい?」と聞かれました。
ヘクターは「ぼくは鳥だよ」と答えるのですが、飛べない鳥なんていないと、みんな信じてくれません。
かめかな、いや魚の仲間かも、とみんなが好き勝手なことを言います。
「ぼくはなんだろう?」自分自身を見失ってしまうヘクターの姿は、読んでいて胸が苦しくなります。
だけどペンギンとしてのヘクターを認めてくれるものが現れた時、ほっとしました。
誰でも自分という存在をありのままに認めてもらいたいもの。そして同じように、周りの人の個性を受け入れていこう。少し教訓めいたお話に感じられるかもしれませんが、純粋なヘクターの気持ちが悲しみから喜びにかわる様子はじーんときます。