中村 柾子さんの「絵本の本」に紹介されていたので読んでみました。
いたずらっこのピーターは、お母さんの言いつけを守らずに、お父さんがパイにされて食べられてしまったマグレガーさんの畑に行って、追いかけまわされるわけですが、それって生きるか死ぬかの壮絶な戦いです。一歩間違えればほんとにお父さんのようにパイにされてしまうのですから。ピーター自身もそれを知っているからその追いかけ回されているときの恐怖を想像すると、思わず息を飲んでしまいます。
命からがら逃げきりなんとかうちにたどり着き、お腹を壊して寝込んでしまうのですが、彼があれほどの体験をしてきたことを誰も何も知らず、うちではいつもと変わらぬ家族がいつもと同じ生活をたんたんと送っているのです。
かわいい絵の雰囲気に惑わされそうですが、実にシュールなお話でした。逃げ回っている場面では子供もじっと聞き入っていました。
このシリーズを読破したいと思いました。