珍しいスタイルの絵本です。
左のページに、大人の現実的な日常の世界。
右のページに、子どもの伸びやかな想像の世界。
面白い形式でお話しは進みます。
泳ぐには、早い(or遅い)季節なのかしら、シャーリー(女の子)は両親と海辺へ、遊びにやって来ます。
両親が、左のページでデッキチェアーを組み立て、のんびり足を投げ出し、お昼寝やお茶を飲んでいます。
シャーリーは、右のページで海辺で遊びながら、頭に想い描いている海賊や宝探しの冒険に浸っています。
各ページ、シャーリーがしっかり楽しい世界に没頭している一方、母親は、小言や注意を休み無く語りかけます。
せっかちで煩わしさを感じる程です。
でも、今のシャーリーには幸せなことに聞こえていません。
親は、親の目線で子を思い心配し傍らにいますが、子どもの気持ちを知らないこともあるんですよね。
特に、遊びに夢中な子どもの心や頭の中なんて、気づいたとしても覗けやしない。
そのことが、とても面白く描かれていると思います。
親である方々にお薦めの作品です。
私も自分の子どもの頃を思い出し、過保護気味だった母親が、なにやかやあれこれそばで語りかけていたけれど、聞こえなかった覚えがあります。
あの時、私はどこへ行っていたのかしら?(笑)