表紙には、図書館で寛ぐライオンと子ども達。
ありえないシチュエーションに違和感がないのは、
ライオンが本当に「図書館が好き」って顔をしているからでしょうか。
ある日、図書館にライオンが現れ、
館長のメリーウェザーさんは、きまりを守るなら、と淡々と受け入れます。
髪をひっつめ、眼鏡をかけ、地味目のスーツを着たメリーウェザーさんは、
厳しさの奥に、優しさと懐の大きさを感じさせ、とてもチャーミング。
ライオンは、この人は信用できそうだ、と分かったのでしょうね。
館長さんのお仕事を助け、子ども達と戯れるライオンの嬉しそうなこと。
息子もニコニコと絵に見入っていました。
しかし、あることをきっかけに、きまりを破ったライオンは図書館を去り・・・。
私は、損な役回りの司書のマクビーさんも憎めませんでした。
彼もまた図書館が好きで、館長さんの指示に忠実に頑張ってきたからこそ、
ライオンがもてはやされるのが面白くなかったのでしょうから。
館長の指示を守るだけでなく、何か出来ることはないかと考え、頑張る姿は応援したくなったし、
ラストのメリーウェザーさんとのやり取りが、もうたまらなく良かったです!
「きまり」って、元々みんなが気持ちよく過ごせるように作るもの。
息子には、きまりを「守る・守らない」より「思いやり」のきっかけにしてくれたらなぁと思います。