「小さな頃に大切にしていたあの人形はどこに行ってしまったんだろう?」
この絵本を読んでいて、そんな事が頭をよぎりました。
ビロードではないけれど、私にも仲良しのうさぎのぬいぐるみがいました。自分で洋服や小物を作って着せかえて遊んでいた事が懐かしく思い出されます。・・・でも、最後にそのうさぎがどうなったのかが、どうしても思い出せません。
「きっと引っ越す時に捨てられてしまったんだろう・・」と思いつつ、絵本を読み進めていくと、何とその答えは最後に書かれていたのです。
「ああ・・そうだったんだねぇ。私のうさぎもきっと・・」
酒井さんの絵が非常にお話の雰囲気に合っていて、切なさも希望も柔らかく描かれています。
子供はもちろん、大人にも気に入ってもらえる作品だと思います。