この絵本は、小さな草花たちのお話です。
こもれびを受けることを当然のように思っているたんぽぽと、どんなに願ってもこもれびを受けられないすみれ。
お互い近くにいるのに、二つの草花が置かれている環境は明らかに違います。
だから、こもれびに対する気持ちも違います。
たんぽぽは、受けるこもれびが少し減っただけで不満を持ち、すみれは、ほんの少し受けただけでとても喜びます。
これは、今を生きる私たちにも当てはまるような気がします。
幸せの時間が長く続くと、それを当たり前のように受け止めて、少し減っただけで不満を抱く私たち。すみれのような環境にはいたくないけれど、たんぽぽのように当たり前だと受け止めるのも、どうかと思います。
この絵本は、今の幸せに気づくことの大切さや謙虚な気持ちを持つことの大事さを、たんぽぽやすみれを通して教えてくれているのでしょう。
小学校中学年から大人まで、幅広い年代の人にお勧めしたい絵本です。