白黒画にしては、不思議な奥行きを感じます。
『そらからきたこいし』の作者による、木炭鉛筆の世界です。
表題の通り、屋根裏部屋のおばけを描いてありますが、
なるほど、薄暗い世界が画材にぴったりです。
このおばけ、屋根裏部屋で悠々自適な生活をしていたのに、
ある日、空を飛んでいるところを、住人の女の子に目撃され、
屋根裏部屋に来ないよう、怖がらせようとするエピソードです。
女の子の行動が、まるでスポットライトに照らされ、カラーで描かれるのが
ドラマチックです。
そして、独特のアングルも臨場感たっぷりです。
後半、意外な展開も、ポジティブな昇華がうれしいです。
木炭鉛筆だけで、ここまでの立体感や奥行きが出せるのに感嘆です。
加えて、おばけの造形も軽やか。
独特な余韻も素敵です。
小学生くらいから、ちょっぴりドキドキしながら楽しんでほしいです。