シンプルだけどとても温かいお話です。
名前の通り真っ白な子猫のしろちゃん。でも、しろちゃんのお母さん、お兄ちゃんたちはみーんな黒猫。そのことに疎外感を感じるしろちゃん。
ある日、まだ一度も会ったことがないお父さん猫が帰って来ることになり、しろちゃんは自分だけ白いことが恥ずかしくて家を出てしまいます。そこで自分の何倍も大きい、真っ白な猫を見つけて後を付けて行くと、なんとそこはしろちゃんの家。そう、その白猫はしろちゃんのお父さんだったのです。
ストーリーを楽しみながら、猫の生態も少し垣間見えるところも面白く感じました。猫は体を舐めて綺麗にすることや、母猫と子猫で生活して、父親はたまにしか姿を見せない、など。子供から「どうして?」と突っ込まれても説明できるところは嬉しいです。
イラストレーターのMAYA MAXXさんが手掛けた絵も素晴らしい。モノトーンでいきいきと描かれた猫は今にも動き出しそうです。絵本に親しみ始めた小さいお子さんにオススメですよ。