今、宮沢賢治の作品を読みあさっています。
この作品の存在は知っていましたが、読むのは初めてでしたので、
わくわくしながら読みました。
ある日、一郎のところに届いた「おかしな はがき」がことの発端です。
気が付けば、なんだろう?どうなるんだろう?の連続で、一気に
読んでしまいました。
いわば、ドングリの背比べの裁判なのですが、どんぐりと山猫が
裁判をしているという発想も然り、一郎が思いついた判決の内容に然り、
意表をつかれた展開で、とても興味深かったです。
「よく見られたい」という心理の逆をついた感じですよね。
適当なようで、とても奥の深い判決内容にに注目です。
田島征三さんの絵が、山猫の表情やドングリの様子をとても上手く
表現されていて、裁判中の騒々しさが聞こえてきそうでした。
もしかしたらにんげんが知らないだけで、森の中でこんな裁判が
繰り広げられているとしたら・・・そんなことを想像させてくれる、
楽しい作品です。