やっぱり日本が世界に誇れる名作ですね!
斎藤・滝平作品をまとめて、お話会で読んでみたくなりました。
この作品の中に漂う祖父と孫の二人暮しという淋しさ・貧しさ、そして、霜月という寒さが、空気として感じられます。
片寄せあい思いやりを持ち合い暮らしている二人。
どうにも夜になると仕様もなく臆病風に吹かれてしまう豆太。
それを寛容に受け止めるじさま。
この先わが身に何かがあればと、豆太の行く末を考えるとやるせない日もあることでしょう。
モチモチの木に灯がともる霜月二十日の丑三つ時は、山の神様のお祭りの日。
たった一人の勇気のある子どもだけが、見ることのできる“モチモチの木にともる灯”。
豆太のなくなったおとゥもじさまも子どもの頃に見たというのに、今年も臆病な豆太には、無理のよう。
ところが、真夜中に腹痛で苦しむじさまのために、豆太は・・・。
豆太の優しさが豆太を突き動かし、勇気ある行動へ。
そして、豆太と一緒に読者の皆さんも息を呑み“モチモチの木にともる灯”の美しさに感動すると思います。
滝平先生の切り絵が、とにかく素晴らしい。
モチモチの木の昼と夜の表情の細やかな違いは圧巻です。
本当に何度読んでも味わい深い作品です。
これから先の時代の人たちにも、読み継がれていく事でしょう。