『ごろはちだいみょうじんいうても、かみさんのことやない。
たぬきのはなしや。』で始まる、いたずら好きのたぬきのお話。
村人とたぬきの関係は、こう見えて持ちつ持たれつ?
そのやりとりは笑みを誘います。
大がかりな工事の末やってきた“かぶとむしのおばけみたいなもの”を、
これもごろはちのいたずらと勘違いし、ぞろぞろ繰り出していく村人。
それに慌てたごろはちは、“もうしゃあない”と、意を決して飛び出し…。
関西弁混じりのごろはちの“しゃべり”が軽快で楽しいです。
最後の最後まで笑わせてくれるごろはちに、切なくて涙が出そうでした。
不思議な余韻の残る一冊です。