七夕の由来のお話なのですが、マイナーな民話の再話か、オリジナルストーリーでしょうか。
よく知られているお話とは趣が違います。
中国山西省の地主、王(ワン)家に白光(はくこう)、紅華(こうか)という兄妹がいたのですが、
両親は不意打ちにあい、屋敷とともに落命します。
母の機転で生き延びた兄妹は、母の教えに従い、川下の領主に奴隷として仕えるのです。
奴隷という過酷な環境にいながらも、母の遺言を守り、懸命に生きる兄妹が健気です。
ひたすら天の星になることを願う兄妹の姿は神々しいばかりです。
通説の夫婦愛ではありませんが、兄妹愛が素晴らしいです。
奴隷という立場を悲観するのではなく、労働の喜びを感じるあたりも
素晴らしいと思います。
滝平二郎さんの切り絵がそれはそれは美しいです。