「愛と平和を考える絵本」とは知らずに、表紙の、赤いかいじゅうと青いかいじゅうが座っている愛らしい絵を見て、手にとりました。
教訓が意図的にこめられた絵本というと、ちょっと押しつけがましく感じてしまい、あえて選んで読むことはないのですが、前述のとおり、デイビット・マッキーの絵が魅力的で、すぐに惹きこまれました。
そして、お話の内容もいたってシンプル。山のむこうとこっちにいるかいじゅう達が、小さなトンネルを利用して、電話のように会話をしている様子からはじまります。相手は見えず、会話だけで相手の姿を思い、想像をめぐらします。
それが、ひょんな一言からけんかになり・・・。
ひょんな一言を発した赤いかいじゅうの気持ち、その言葉で傷つき、思わず言い返してしまう青いかいじゅうの気持ち、二人の気持ちのすれちがいが、とても身近な世界に感じられ、お話を聞いていた子ども達が、真剣に考え、悩み、少しずつ、笑顔になっていくのが分かりました。
私のように、教訓めいた絵本はちょっと・・・と思っている方にもおすすめの、とても魅力的なお話です!!