息子が「『スースーとネルネル』(荒井良二)の絵だ」と図書館の棚から見つけた本です。いつも頭に引っ張られてばかりのへびのしっぽは退屈しています。誰からもしっぽとしては認めてもらえず、友だちもいないのです。
へびのしっぽは、人見知りの大人にも当てはまるし、自意識が芽生えた子どものようでもあるし。タンポポに話しかけたら頭が進んでしまったため、話しかけられたと誤解したスカンポが優しく答えてくれるなど、勇気を出したしっぽが誤解の連続なのには、つい笑いがおきます。
声をかけてみたものの相手にされなかったり高慢ちきな態度をされて嫌な思いをしたりするのは人間社会と同じで、いつも省みられないへびのしっぽに自分の姿を重ね合わせて感情移入しながら読みました。しっぽが、いろいろな物に声をかけて関係を築いていこうと頑張り、自分のあり方を考えていく姿にとても共感が持てました。
選んだ5歳の息子には、あまり話の面白さは通じなかったようです。児童向けですが、大人が読んでも面白いと思うのでオススメします。