『OWL MOON』のタイトルだけでも、
なにか神秘的なイメージをかもしだしています。
月・ふくろう・雪の原・・というと、
ファンタジーの世界への入り口のような気がしますが、
このお話を開いていくと、
今いる世界の自然との対話が始まります。
しんしん冷え切った森の中、恐ろしいくらいの静けさ。
「ほうーほう ほ・ほ・ほ・ほーーーう」
みみずくとの対話が感動的です。
(ふくろうの仲間で、頭に羽角という角のような羽を
持っているのがみみずくなんだとか・・・。絵を観るとたしかに。)
それと同じくらいに、
女の子と、とうさんの気持ちの触れ合いが印象に残ります。
真っ白い雪の中、
ただひたすらとうさんを信じて付いて行く女の子の純粋な心と
我慢強く自然と向き合うとうさんの寛大さが感じられます。
みみずくに あうときは
おしゃべりは いらないの
さむさも へっちゃらなの
あいたいな あえるかなって
わくわくするのが すてきなの―
それが とうさんに おそわったこと
森の中にいるような読後感が素敵です。