この絵本ナビを見ていて、たまたま見つけた絵本でした。
作者も知らないし、本屋でも見たことがなく、昔話なのかな、何なのかな、という程度の気持ちで、図書館で借りてみました。
すごくよかったです。
絵本の中にひきこまれるような、ひさびさに、読み応えのある、ふところの深い絵本に出会った、という満足感がありました。
すばらしく絵がいいです。特に、トラにしても、人にしても、目がすごくいい。まるで生きているような、訴えかける目です。
トラは、人を憎みながらも、人の子を殺すことが出来ない。
自分の子供を殺されたことへの憎しみを持ちながら、それでも、小さいものへのいつくしみ、母親としての愛情の深さには、胸をうたれました。
そして、人間も同じ。
母親が子供を愛するということは、こんなにも深いものなのだなぁと。
少し難しいかな、と思いましたが、6歳の息子が、
「今日も、ウェンを読んで。」
とこの本に魅せられました。この迫力あるお話を絵に、ひきこまれています。