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ウェン王子とトラ」 ねこなさんの声

ウェン王子とトラ 作・絵:チェン・ジャンホン
訳:平岡 敦
出版社:徳間書店 徳間書店の特集ページがあります!
税込価格:\2,090
発行日:2007年06月
ISBN:9784198623531
評価スコア 4.81
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みんなの声 総数 100
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  • 子を思う母の気持ち

    • ねこなさん
    • 30代
    • その他の方
    • 埼玉県

    力を力で制そうとしても、火に油を注ぐだけ。
    「虎の怒りを鎮めるために、王子を虎に差し出しなさい」
    といった占い師のおばあさんは、そのことを知っていたのではないでしょうか?
    「虎が王子に危害を加えることはありません」
    とも言っていますし。

    虎だって、理由もなしに人を襲っていたわけではないのです。
    子どもを猟師に殺されて、それで人が憎くなって襲っていたのです。
    自分の子どもと人間の王子が重なって、虎の怒りが静まるシーン。
    それまでは、もしかしたら、ただ興味で王子と一緒にいたのかもしれません。それが、母親として王子に接するようになるのは、自分の子どもと人間の王子を重ね合わせた、あの場面以降のような気がします。

    わが子の代わりに王子を立派に育てた虎と、兵士たちに止められるのを振り切ってまで虎の前に飛び出して、わが子の元に駆け寄ったお后。一人と一匹の愛情は、誰よりも深いもののように感じられます。
    もちろん、王子の無事を願うばかりに、森に火を放ってしまう王様も、それはそれで愛情の一つの形なのですが…。ちょっと考えさせられますね。

    虎に育てられたウェン王子は、父親を超えるような素晴らしい王様になった…んじゃないかと思っています。

    投稿日:2011/06/02

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