おばあさんは、長生きして友達がいなくなってしまします。おいていかれることへの淋しさに耐えかねて、自分より長生き(長持ち?)しそうなモノにだけ名前をつけて暮らしています。そうすれば、まわりのものより長く生きる心配はないのです。
現実を見て、折り合いをつけて、きれいに花を育て、車を乗りこなし、自立して暮らしているおばあさんは、カッコイイです。でも、ちょっと淋しい・・。
ある時から、かわいい子犬が毎日やってくるようになりました。でも、おばあさんは「うちへお帰り」と言い続けるしかありません。だって、自分より長く生きるものとしか関わりたくなかったから・・。飼うとなれば名前をつけないといけないから・・。
ところが、子犬が姿を見せなくなりました。すると、心配になったおばあさんは・・・。お話のラストには、生きているものの温もりと共にいるおばあさんに、良かった!!と思いました。
人生の春、夏を過ぎ、秋にいて、これから冬を迎える年頃の私。胸に沁みました。子ども向きというよりも、人生後半の大人向きの絵本だと思います。柔らかい色調の絵が美しく、ステキです。