私の小学校の時の教科書にも掲載されていて、今は息子の教科書にも載っている作品です。
新美南吉の作品を一つ上げろと言われたらこの作品を思い出す方も多いのではないかと思います。
小学生の頃、この作品を読んで胸がしめつけられるような切なさとすれ違いの悲しさを思い、忘れられない作品になりました。
大人になってから、この絵本に出会い、漠然とですが『ごんぎつね』というと黒井健さの絵という風に、この作品には黒井健さんの絵という風に結びついてしまいました。
絵の繊細さもさることながら、一度だけ行ったことがある南吉の故郷の風景と重なります。
絵本の15ページには、彼岸花が広がっていますが、私が訪れた時もちょうど彼岸花の季節でした。
生きていると、その時にはわからない思い、失敗、悔いというのはたくさんあるものでしょう。
生きていく哀しみ、そんな思いを教えてくれた作品でもあるように思います。