苔の取材に行ったお宅に立派なシダがありました。
そこにいらっしゃった高齢の男性に、
「シダがお好きなんですか?」と聞くと、
「シダに命を救われたから」と話し始めます。
第二次世界大戦中、
一兵卒としてグアムに連れていかれた完司さんが目にし、
体験したことが、
漫画を交えながら読みやすい文章で書かれています。
何もわからないまま戦場に送り込まれた一市民が
戦場でどのような状況に追い込まれたのか。
太平洋戦争を歴史として学んだあとに、
戦争は、市民をこんなふうに巻き込んでいくってことを、
将来を担う子どもたちに、
知っておいてほしいです。
戦争文学には、
大人でも読み進めるのがつらい残酷な描写がつきものですが、
この本には、
そこまで残酷な表現はないので、
戦争文学の読み始めにおすすめです。
高学年向け。