大切にしてもらえなかったので家出をしたくまのぬいぐるみミシュカ。森の中で一人旅をしている途中、クリスマスのプレゼントを配るトナカイに出会います。トナカイのお手伝いをしながら、ミシュカはクリスマスイブの自分の役割を見つけるのでした。
前半の展開が少し長いかと思いましたが、最後、クリスマスのメッセージはこれ以上はないというぐらいストレートに伝わります。こんなに素敵なクリスマス絵本があったんだ…と胸が熱くなりました。ぬくもりのある木炭水彩画が味わい深いフランスのクリスマス絵本。あまり知られていない作品だと思います。好きだった表現はトナカイの描写「…すんだ目には、この地上ではけっして見られないような光をたたえていました」というところと、最後の2行「片方のくつの中にすわって、ミシュカは朝を待つのでした」。最初の女の子の部屋と最後の男の子の部屋、その中のミシュカ…イラストではこの見開き2ページの部屋の描写が目を引きます。もちろん、これ以外のミシュカも十分可愛いですけれど。