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子うさぎましろのお話」 ガーリャさんの声

子うさぎましろのお話 作:佐々木たづ
絵:三好碩也
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,925
発行日:1970年01月
ISBN:9784591005309
評価スコア 4.64
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  • 神様の木だよ

     サンタさんからもう1つプレゼントをもらいたくて、体に炭をこすりつけ、別のうさぎになりすまして、うそをつく子うさぎのましろ。

     子どもは、時に、バレバレのうそや言い訳をすることがあるものです。自分自身の幼い頃にも覚えがあります。ましろのように、動機や理由は、本当に子どもらしい純粋なものなのだけれど、大人は、その気持ちを汲み取ってあげようとする前に、「うそはいけない」と、正義を盾にして、頭ごなしに叱りつけてしまうことが多々あるのではないかと思います。

     うそと知りながら、黙ってそれを受け入れ、ましろに種を手渡すサンタさん。子どもの「芽」を摘まない、というのはこういうことなのかと、目の覚める思いでした。その芽がやがて立派な若木に成長し、こんなにも人を喜ばせることのできる大木へと育っていく。まさに子どもの将来を物語っているように感じました。

     最初は、「欲張りはだめだよ」と言っていた娘も、
    「このたね かみさまに おかえししておこう。土のなかへ うずめて」
    ましろのこのセリフに、にっこり。そして、たくさんの金銀のベルや、おもちゃ、お菓子をつけた美しいもみの木を見て、「ぼくの木じゃなくて、かみさまの木だよ」というましろの言葉に、私も深い感銘を受けました。子どもも授かったものだと思うと、つい粗雑な心が出てしまうものですが、大事な預かりものをしていると思えば、もっと大切にしなければ、という心にもなれます。「かみさまの木だよ」というましろの真っ白な心を忘れないでいたいな、と思います。

    投稿日:2009/12/15

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