中国の昔話、と副題にありますが、
不思議な題名と、古代シルクを模したという背景色にオーラを感じました。
台湾の作家コンビによる作品です。
実は、敦煌壁画に描かれた、ブッダのエピソードが基になっているようですね。
神々しい鹿の姿は、そこからにじみ出ていたのでしょう。
語り手は、何と一羽の鳥。
こちらも神鳥のようで、日本に伝わったヤタガラスにあたるそう。
道理で、未読のうちから、吸引力があったわけです。
ある薬草取りのエピソードです。
美を求める王妃の命により、薬草探しに出かけるのですが、
川に落ちたところを九色(くしき)の鹿に助けられるのですね。
ところが、このことを口外しないよう言われていたのに、
欲にくらんで王妃に口を滑らせるのですね。
神々しい鹿が、すごい存在感です。
その教訓が身に沁みます。
その背後にブッダの教えが立ち昇るように感じました。
小学生くらいから大人まで、しっかりと感じてほしいです。