アンナがすてきな赤いオーバーを手に入れるまでのお話。
「戦争が終わったら、新しいオーバーを買ってあげようね」。去年の冬、お母さんは言ったけれど、戦争の終わった今、お店にはオーバーも食べ物もなんにもないし、お金だってない。
お母さんは考えて、家にあるいろいろな物を交換してオーバーの材料を手に入れようとする。
オーバーができあがるまでの過程が、四季を通して語られている。
この間に、アンナは大きくなった。表紙見返しの青いオーバーを着た小さなアンナが、裏表紙見返しで新しい赤いオーバーを着た少し大きなアンナになっている。その表情からも、大きくなったのが体だけでないことがわかります。
何でも簡単に手に入ってしまう時代、待つことの大切さがほんのり伝わってくる絵本です。