祇園精舎は、男性的な文体の響きなので、山本孝さんの描く力強く色彩もはっきりとした表現が、ぴったり合っていてよかったです。
琵琶法師が、祗園精舎を語り歩く様子を描いているのだが、物語の中に登場する昔の愚かな武将達が、生き生きと背景に現れて、そのうち恐ろしい形相になったり、また、惨めな姿になってしまったり、上手く表現されている。
子供にとっては、意味がまだまだわからないところではあるが、この絵本によって、ちょっと恐い怪談話のような絵を楽しみつつ、この暗証するに値する名文が、少しでも耳に残ればよいのではないでしょうか。