絵本原画展でたくさんの作品が並ぶ中、もっとも長く見入ってしまった作品です。
絵本ではつぶれてしまって見えないものが、原画ではしっかりと見え、いかに細部にわたってしっかり描かれているかを見ることができました。
電車をモチーフにした絵本といえば、電車がさまざまな風景のなかを走っていくものや、列車を擬人化したものが多く、この本のように列車の中を描いたものが意外とありません。
83年に出た本とのことですが、その後電車がいかに進化してきてもいまだにこの本が愛されているのには理由があるような気がしてなりません。
昔は固いシートで、冷える足元で、決して楽ではなかった夜行列車。だけどその代わりに、人の温かみがありました。
そういうものが、直に伝わってくるような暖かい作品です。
字はありませんが、子供と情景を語り合いながら、一緒に読めるといいですね。