自宅の英語教室に、名作だし、子ども達に馴染み深い動物が出てくるし、繰り返しだし、読み聞かせに好条件という安易な理由で選んだ作品。
でも、読めば読むほどに、味わい深いのです。
日本語で読んでも、英語で読んでも、子ども達はいつも夢中。
そのワケの1つを、つい先日下の子の幼稚園の説明会に行った際、この作品を取り上げていらした副園長先生のお話に納得しました。
「〜したらだめ」と、その動物にとって到底出来もしないこと(=子どもの特質)を、一応言い聞かせはするけれど、守れなくても、怒らず、おおらかに受け入れ、みんなでお茶を飲み、「また来て」というガンピーさん。
先生はこのような保育士でありたいとおっしゃいましたが、子ども達は、こんな大人を待ちわびているのかもしれません。
「だめだよ」と、最初に言っておけば、子どもは言われたことはわかっている、そして、それをしてしまった結果、自分がひどい目(転覆)にあったらば、怒られずとも自ずと自分でその意味を悟ります。
ちょうど先日似たような出来事が英語教室でありました。
一年生の男の子、楽しいことになると大声で暴走してしまうので、「そんな叫ばないで!」と注意はするけれど、我を忘れて叫ぶのは男の子の特質。
カルタの時、自分の取りたいカードを膝下にキープしようとするので注意しても聞きません。
そのカードの番となり、勢い余って膝下から取る時ビリッ!と破れ。。。
事前に「そんなことしてはいけません」と言われていたのに、聞く耳を持たなかった男の子、「しまったぁ」という表情で「すみませんでした」と、大変素直に謝ってきました。
がむしゃらにダメダメと力づくで教え込もうとするより、自分で学ぶ方がずっと効果的、を実感。
子ども達が誰でも通る道である、大人に怒られながら成長するその象徴を、なんともほのぼのタッチのベールにくるみ、それでいて沢山の動物が出てくることで、きっと自分はその誰かなのだと子ども達はきっと潜在意識で認識しているのでしょう。
この絵本を読んで、何も感じない子どもはいないといっていいと思います。
アフタヌーンティーに締めくくられるこの異国情緒も、日本人にとってはバーニンガムのふんわりタッチと相俟って、絵本から伝わってくるメッセージを何重にも相乗効果で包んでくれ、英語で読む楽しさもまたひとしおを思うのです。