かおるが垣根の下で見つけた小さな長靴ははかたっぽだけ。次の日見ると長靴は少しずつ大きくなっていました。長靴に足を入れると、不思議なことに片足が消えたのです。
誰が置いていったのか忘れていったのかわからない長靴。自分の身近な物が動くというのは、佐藤さとるのファンタジーの得意とするところです。おばけみたいに大きくなった長靴に入ったら、かおるの姿が消えてしまってというところがおもしろかったです。
息子も次が気になるようで聞き入っていました。大きくなると同時に小さくなるという発想も楽しかったです。
「もし不思議な長靴があったら」と空想の楽しさを教えてくれる本です。絵が村上勉なのも気に入っている理由です。かおるの部屋にはさりげなくさとうさとるの本が置いてあります。そんな遊び心が嬉しいです。