自分のおこづかいで初めて買い物をする時の、男の子のドキドキワクワクが伝わってくるような絵本でした。
町の中の色んなお店。パン屋や本屋におもちゃ屋さん・・どの店も魅力的なものが沢山売られていて、お店を眺めているだけで男の子と一緒にワクワクした気分になれました。
ところが思わぬハプニングが・・
何も買えないと落ち込んでいる時に、「スマイルショップ」というお店を見つけます。
そこで「スマイル」を買おうとする男の子に、お店の人は「スマイルは買えません。スマイルは交換するもの、分かち合うもの」と、笑顔で写真を撮ってくれます。
お店は写真屋さんのようです。きっと男の子の顔に笑顔が無いことに気付いて、笑顔をくれたのでしょう。
男の子もまたお店の人に笑顔を返し、町中の人がみんな笑顔でいることに気付きます。
笑顔はお金では買えない。赤ちゃんの笑顔を見るとみんなが笑顔になるように、笑顔は伝播し広がっていくもの。読み終えて、とても温かい気持ちになれました。
挿絵も可愛らしく、背景色も最初は淡く、だんだん街並みが色付いてきて、お金を落とす場面では一面色彩を失って・・男の子の気持ちがよく表されていて、とても素敵な絵本です。