ある春の日、キツネの「きっこちゃん」といたちの「ちい」と「にい」は山むこうに住むきっこちゃんのおばあちゃんちに遊びに行きます。丁度おばあちゃんはお鍋でにんじんスープを作っている最中でした。ところが途中でからすの母さんに呼び出されておばあちゃん(なんでもなおせる山のお医者様なのです)はきっこちゃん達にお鍋の番を頼みます。そこからきっこちゃんたちが美味しいスープを作ろうと活躍するおはなしです。お料理に興味を持ち始めた息子のために買った本です。このおはなしに出てくるおなべのすごいところはお顔がついていて話せること!しかもお料理のしかたまでアドバイスしてくれるのです!美味しく美味しく出来てくるとおなべのお顔もニコニコしてくる!煮えてくると湯気もほんわか立ち上っていくし、おなべの言葉もコトコト→フツフツ→グツグツと変わっていくので煮えていく様子もとてもよく伝わってきます。ほんとうに美味しそうなのがきっこちゃんたちの仕草から伝わってきます。こんなお鍋があったらお料理の失敗しないだろうなぁ?!是非欲しい!あと、おもしろいのがその香りを嗅ぎつけて(?)寄ってくる虫やネズミやモグラ達!ちゃっかり葉っぱやどんぐりの帽子の器を持って駆けつけているんですよね(笑)。きっこちゃんのおばあちゃんちの様子や(屋根に風見キツネがついていたり、家の中に実験器具みたいなのや様々な容器があったり、キツネの写真があったり)、春の植物(スミレやぜんまいやつくしなど)が描かれていて、細かい描写まで楽しめます。春の雰囲気いっぱいの美味しそうな絵本です。息子はきっこちゃん達がにんじんスープを飲むシーンでよほど美味しそうにみえるらしく、一緒に飲んでいるまねをします。また、お砂場で「おなべおなべにえたかな?」ごっこをするようになりました。