ハシビロコウは、なかなか動かない鳥のようです。
池の淵に立ったまま、じーっと動きません。
それは、友だちのカバが来ても怖いヘビが来ても鼻がバナナのゾウが来ても、変わりません。
ペンギンが空を飛ぶというありえないことが起きても、動きません。
どうして動かないの?
それは、魚を食べるため。
魚を襲う一瞬を見逃さないため、ハシビロコウは何が起きても動かないのです。
それは、大好きなハシビロコウの女の子が来た時も変わりません。
ちょっとだけ、ほっぺが赤くなるけれどね。
最後の、ほっぺが赤くなるところが好きです。
ハシビロコウは目的を遂げるための努力は惜しまない完璧な生き物だけれど、好きな子には動揺する。
そこのところに、親近感を抱きます。
とても素敵なお話でした。