“欲張りすぎると、ろくなことがない”・・・。
昔ばなしを含め、よく物語のテーマとなる代表的な教訓ですが、この絵本では特に現実味を感じました。
お父さんカタツムリが、子供に聞かせている体験談・・・という具合なので、説得力があるのでしょうか。
何事も、体験者の口から語られる話は信ぴょう性があります。
目に映るものだけを気にしていると、どういうことになるか・・・。
それをレオニは、沢山の人が共感しやすい“家”の大きさに例えて、教えてくれました。
“大きな家がほしい”という欲は、子供にも大人にもあると思います。
たとえばその理由が、沢山の犬と暮らしたい とか、家の中にシアタールームを作りたい とか、美術館の様に沢山の絵を飾りたい とか、
“大きな家で実現したい夢があるから”であれば、私は応援します。
ですが、ただただ“大きなほうが自慢できる”“大きなほうがかっこいい”という理由であれば、それは空虚なことかなと。
壊れてしまった大きな殻には、寂しさと虚しさしか感じられませんでした。
目に映るものだけを気にして本当に大切なことを見失った時、きっとどんな人でも後悔すると思います。
それが取り返しのつかないことであれば、尚更・・・。
話の流れから結末を想像していましたが、“せかい いち おおきな うち”の最後を目の当たりにして、思わずゾッとしてしまいました。