大人になってから、まったく損得勘定なく「おともだちになってくれる?」と正面から堂々と言うことなんて、なかなか無いですよね…。表紙を見て、しみじみ思いました。
うさぎはもちろん、周りの植物の描かれ方も色合いが優しくて素敵です。
ユキウサギのチップスの「おともだちになってくれる?」という問いかけに対して、チビウサギは“いいよ”と思うだけで、返事はしません。その後も、チビウサギからチップスに話しかける台詞は出てきません。でも、一緒に遊んでいる様子はとてもいきいきしていて楽しそう。だからこそ、最後の「ぼくのともだちさ」という言葉が効いてくるのだと思います。
遊ぶのは、1人より2人のほうがもっと楽しいということ。子供は友達をつくることで、家族以外の新しい世界を作っていけるということを、あらためて感じる作品でした。