お父さんとこぐまのお話です。
朝起きてしばらく経った頃から寝るまで、二人きりで過ごしています。
「あのね、あのね」「ねえ、ねえ」と甘えるぼうやにお父さんは「よしよし」と応えてくれます。
出て来るのはお父さんとぼうやの二人きり。でも小さなぬいぐるみ達もぼうやが遊ぶのを見たり、お父さんに遊んでもらったり、一緒に絵本を見たり楽しそうです。
のんびりと、やさしいやり取りが繰り返されて春のようなあたたかさ、安心感があふれています。
お父さん大好きな息子も、気に入ったようで何度も読まされました。
でもでも、この熊さんたち。よーく見るとぬいぐるみなんです。
手も足もツメがなく、肉球もない。ピッピッピと線が3本引いてあるだけ。そう言えば、顔の辺りも生き物と言うよりぬいぐるみっぽい。
なのに、お父さんもぼうやも服が小さいらしくお腹が見えています。そんなぬいぐるみ、ありますか?私は、ちょっとだらしなくて嫌です。表紙の絵を見た時から感じた違和感が拭いきれませんでした。
子供は、そんな事気にしていないようです。でも、熊を上手に描きこんだ絵本と比べると、「なんだかなあ」と思ってしまいます。熊は熊。ぼうやのぬいぐるみは、ぬいぐるみと描き分けた方が良かったと思います。
せっかく良いお話だし、文章の響きもいいし、絵のタッチもいいけれど、星3つです。